英ポンド/円相場は、1週間半にわたる1ポンド=157~158円水準での保ち合いを経て、足元では158円台中盤から後半まで値位置を切り上げている。英経済指標は強弱まちまちの結果になっているが、ポンド安を是正する動きが優勢になっている。価格連動性のあるユーロ相場安に歯止めが掛かっていることも、ポンド相場にはポジティブ。改めて本格的にポンドを買い進むような動きは鈍いものの、急落した10月23日以来の高値を更新している。
本日はイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策決定会合(MPC)が開催されるが、大きな政策変更は想定されていない。依然として金融緩和政策の景気支援が要請される一方、最近の景気回復基調は更に政策支援を拡大する必要性も高めておらず、当面は現行政策スタンスでの様子見が継続する可能性が高い。経済指標をみても、11月4日に発表された10月建設業PMIや9月鉱工業生産は前月から上振れしたが、10月製造業PMIや10月Gfk消費者信頼感などは逆に悪化しており、ポンド相場に大きな影響を及ぼすには至っていない。来週は13日に失業率や雇用者数などの発表も控えているが、特に大幅な悪化は想定されておらず、ポンド相場は総じて底固い展開が維持されよう。
欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が強くなっているが、今月の会合での政策変更の可能性は低く、ユーロ安主導でポンド相場が軟化するリスクは限定的とみている。ドル/円からクロス円主導の値動きも想定しづらくなっており、ポンドは底固いものの伸び悩む展開が続くことになるだろう。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線(157.13円)水準でサポートされる展開に。雲上限157.04円でのサポートは強く、直近高値159.53円(10月22日)を試す流れに。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変化なし。14日RSIは57.96。